地震が来るはずのない国で。
地震がないと言われている国で地震にあって4日。なんとなく記録しておこうと思う。
地震が来る2週間前、初のインドネシア出張でバタバタしていた。プロジェクトでの出張だったので、あまり自由はなく、でも最後にはなんとかインドネシアに駐在している同期にも会え、3日ほどの滞在で帰ってきた。
地震が来る1週間前、日本からの出張者対応とプライベートの訪問者により、毎日忙しい&現地料理を食べることとなり、さらにバタバタしていた。この週の週末からお腹を壊し、今もなお完治していない。(食あたりなら1週間あれば治るので、ストレスによる慢性的な下痢?)
そして地震の日、お腹の調子はよくなかったものの、出社していた私は、同僚とご飯を食べ会社に戻ってきた。さて午後の仕事をするかと座った直後の午後1:30、同僚が「なんか音してない?」と言い出した。
「窓ふきの作業の音じゃないですか」とかなんとか言っていると、急にビルが揺れ始めた。
日本の地震の揺れとは違い、ゆっくりとしているがとても大きな揺れ。
私たちがいるのが20階以上ということもあり、大きく揺られているような感じだった。
日本なら、机の下に隠れよう!となるけれど、ここはタイ。(建物倒壊したりせんよな・・・?)と、とても嫌な思考が頭をめぐる。
そんなことを考える中で、揺れはなかなか収まらず、建物の壁がメキメキ、ミシミシと音を立て始めた。日本で地震には何回もあったことはあるけど、聞いたことのない音。
免振とか耐震とかの概念がない国で聞く、建物の悲鳴。本当に死が頭をよぎった。
「建物が倒壊して潰されてそのまま死んだらどうしよう。。」
そんな色んな事を考えている30秒の間に、降りよう!!という話になり、日本人・タイ人全員で階段から避難開始。
普段、送り迎えも車、本当に運動不足な私は23階を駆け降りるだけでも太ももが疲労で震えた。
何とかオフィスのタワーから抜け出し、公園へ避難しろと知らないタイ人が叫ぶ。タイ人は地震に慣れていないので、パニック状態だ。途中、ビルから砂ぼこりが出ているところを見上げながら、なんとか公園へ退避。1時間ほど余震に備えて待機した。
オフィスにはもう戻りたくないな、という気持ちと、自分の家も相当高層階だけど、大丈夫かな、という気持ちで、暑い中影を見つけて座り込む。
特段余震も来なかったので、オフィスに荷物だけ取りに上がり、渋滞がひどかったので自宅まで徒歩帰宅。
歩道も帰宅難民にあふれていた。駐在員のように中心地に住んでいる人間は歩いて帰れるが、郊外に住んでいるタイ人は電車が止まった状況下で、徒歩帰宅をあきらめ、座り込んでいた。
途中で水分を補給しながら(こんな状況でも、路上の店舗は商売をしている。というかむしろかき入れ時みたいになっていた。)、同じ方向の同僚と歩いて帰る。
午後3:30、マンションに着いたはいいものの、全館点検しており入れる状態ではない。
マンションの下でひたすら座って待つこと3時間、やっと夜の6:30に家に入れ、事なきを得た。家は予想外にあれておらず、部屋の中にも共用部にも大きなひび割れ等は見当たらなかった。(しかし、この後の避難で嫌なひび割れを目にすることになる。)
そして、地震から何事もない土日を過ごして迎えた月曜日、水漏れで大変なことになっているオフィスの状況を鑑みて、全面テレワークになった。(水漏れ以前に、耐久性は大丈夫なんか?誰が判断するんや?見た目でわかるんか?といった質問は、日本人なら誰しもが思っていると思う。)
テレワークをして午前が終わろうとしたとき、急に横の棟でサイレンが鳴り始めた。マンションの管理会社からもLINEで避難の協力依頼 というメッセージが来る。
正直揺れを感じていなかったのだが、バンコク各地で避難指示が発生している模様。
超高層階にいた私は、先日のオフィス駆け降り時の筋肉痛を引きずっており、ギリギリまで降りんぞ!と下界を睨んでいたが、ついに自分の棟の火災報知器が作動。ご丁寧に日本語での避難放送も鳴り響き、さすがにやばいかと避難開始。
実は、タイはガスコンロがほとんどなく、オール電化なので地震の際の火災のリスクは限りになく低い。そういうことを鑑みて、おそらく大丈夫だと思いながら、超高層から階段で避難開始。。
半分降りたところで、ほんとに火事だったらもう死んでるな、と思いつつ、汗だくで降りた。降りる途中で、複数回にわたる縦のひび割れ(しかも深い)を見つけ、このマンションに今後住むことに不安を覚えるも、とりあえず避難。
結局何事もなく2時間後には家に戻れたのだが、またまた筋肉痛が確定した出来事だった。
地震がないから日本で住めないような高層階にしたのに・・・。
私のマンションは被害がだいぶましな方で、同僚のマンションはひどいことになっていたので立ち入り不可、ホテル暮らしを今も余儀なくされている。幸いインフラのダメージは少なく、電気と水は問題なく使えている。
インターネットでは、建設中の建物が崩れ落ちるショッキングな映像が拡散されているが、そこまでの倒壊は起きていない。ただ、全体的に建物がダメージを負っており、次大きな地震が来たら、ヤバそうだな という感覚はある。
自分で選んだ道とはいえ、外国の地で一人被災するのは、結構心細い。
通常の生活には戻れているものの、今週1週間は気を抜けないだろう。
地震大国の皆様におかれましても、どうかご安全に。日頃から備えてね。
作成時間:30分
コメント
コメントを投稿